
( ^ω^)ブーンが死んでしまったようです。
その10
738 名前: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 04:27:24 ID:Ka25GBUy0
身体が、急に軽くなった
さっきまでの痛みや、身体が動かない、妙な気だるさは微塵も感じない
( ^ω^) 「あ・・・・・・そうか・・・・・・・」
周りの風景は、すでにあの病室ではなかった
草原が広がり、さらにその向こうには河が流れている
どうやらここは、よく聞く、死後の世界、とでも言うやつなのだろう
( ^ω^) 「あまり、面白みがないとこだお・・・・・・・・・・」
呟く声には、どこか余裕が見える
もう、現世に未練はない。渡したい物、伝えたいことは、すべて終えた
なら、後は・・・・・・・・・・・・・・
( ^ω^) 「すなおに、あの世に行くお・・・・・・」
河へと向かって、ブーンは歩き出した
955 名前: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 23:22:10 ID:Ka25GBUy0
サク・・・・・・・・サク・・・・・・・・・・
踏みしめる草の音が心地いい
ほどなくして、ブーンは河原にたどり着いた
と、そこには、
(´<_` ) 「・・・・・・・・・とうとう、お前も来たか」
( ^ω^) 「弟者・・・・・・・・・・・・・」
河のほとりの、大きめな石に腰をおろし、弟者がこちらに手を振っていた
( ^ω^) 「知ってたのかお?」
(´<_` ) 「いや、俺もこっちに来るまでは知らなかったが・・・・・」
ぽん、と弟者が手を叩くと
石の周りに、お菓子やお膳、さらにはノートPCまでもが現われた
弟者はノートPCを手にとり、ブーンに向き直る
(´<_` ) 「そなえてもらった物は、どうやらこっちに来るみたいでな」
「兄者のくれた、コイツ越しにお前の姿を見ていた・・・・・・・・」
兄者のおかげだな、と、とても爽やかに、モニターに微笑む弟者
モニターを横から覗き込めば、今は兄者が映っていた
975 名前: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 23:45:37 ID:Ka25GBUy0
ニヤニヤと笑いながら、弟者はモニターを指差す
(´<_` ) 「プッ・・・w 兄者も極端なやつだw」
「たかがバイトの面接だと言うのに、スーツの用意をしているw」
モニターの中では
兄者が何度も電話をかけては切り、かけては切りを繰り返していた
どうやら、お話中か何かで、繋がらないのだろう
(´<_` ) 「仕方ない・・・・・・手を貸すか・・・・・・・・・」
カタカタとキーボードを叩き、何かを打ち込む弟者
モニターの端に時刻が浮き上がり、弟者はその数字を修正。10分ほど時間を戻す
すると、その途端に兄者の電話が繋がった
( ^ω^) 「今、何をしたお?」
(´<_` ) 「電話の時間をずらしたんだ。繋がるだろう時間までな」
「あの糸に触れたおかげか、電話回線なら、そんなこともできるようになってな」
977 名前: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 23:46:14 ID:Ka25GBUy0
どもりながら、緊張した面持ちで何度も頭を下げている兄者を見つつ
弟者はタバコに火を点ける
( ^ω^) 「それじゃあ・・・・・・ツンの電話を繋いでくれたのは・・・・・・・・・」
(´<_` ) 「・・・・・・・・・・・・ああ、俺だ」
少しでも、恩返しをしたくってな・・・・・・・・
視線を合わさず、弟者はうなずいた
(´<_` ) 「あまり、そんなことばかりしていると、業が深くなりそうだがな・・・・・・」
( ^ω^) 「ありがとうだお・・・・・・・おかげで、最後に間に合ったお・・・・・・・」
弟者の協力がなければ、自分は伝えることも渡すことも出来ずに、死んでいただろう
弟者には、いくら感謝してもしたりない、そう思い、頭を下げる
だが
(´<_` ) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
弟者は何も言わない。目を合わせようともしない
いぶかしみ、ブーンが尋ねる
( ^ω^) 「どう・・・・・・・したお・・・・・・・・・・?」
(´<_` ) 「それも・・・・・・・余計なことだったみたいなんでな・・・・・・・・・!」
( ^ω^) 「え・・・・・・・・・・・・・・・・?」
きっ! とブーンを睨む弟者の目は、怒りに赤く染まっていた
988 名前: ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/08(木) 23:57:42 ID:Ka25GBUy0
弟者が怒る意味が分からず、ブーンは焦る
(;^ω^) 「よ・・・・・・余計じゃないお!? おかげでぼくは・・・・・・・・」
(´<_` ) 「好きだ、と伝えられた、か・・・・・・・?」
頷く
弟者は立ち上がり、ブーンの胸倉を掴み上げ、睨む
(;^ω^) 「ちょ・・・・・・・なに・・・・・・・なにするお・・・・・・!?」
(´<_`#) 「俺は・・・・・俺は・・・・!!」
あまりの怒りに、言葉が続かない
一息、それで呼吸を整える
(´<_`#) 「お前なら、きっと、俺がした以上のことをしてくれると思っていた・・・・・!」
何を・・・・・・・怒っているのか・・・・・・・・・分からない・・・・・・・・・
(´<_`#) 「それが・・・・なんだ!? お前は気持ちを伝えれば、満足か!?」
なぜ・・・・・・・・それが・・・・・・・・・・・・いけない・・・・・・・・?
(´<_`#) 「気がついていないのか!? この自己中野郎がっ!!」
「最後に・・・・・・好きだなんて言われて・・・・・・・・・・・・」
「それであの娘が幸せになれると思ってんのかっ!?」
45 : ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 00:19:58 ID:cpNoveIe0
弟者の言葉は、止まらない
ブーンとツンの二人に、自分と、残してきた兄者を重ね、叫ぶ
(´<_`#) 「あの娘が可哀想だと思わないのか!?」
「最後の最後で・・・・・・そんなこと言われて・・・・・・・・!!」
「どうやって・・・・・・どんな気持ちで、あの娘はこれから生きてくんだ!?」
自分の最後で苦しむ兄者を思い出す
自分は、そんな兄者は絶対に見たくない、見たく・・・・・・・・なかった
(´<_`#) 「お前なら・・・・・・どうなんだよ!?」
「今際の際に、好きだ、なんて言われて・・・・・・・・・!!」
新しい人を横に置くことなんて・・・・・・考えることも出来ないじゃないか・・・・・・
出来ない、考えられないっていうのに・・・・・・・それでも・・・・・・・・・・
(´<_`#) 「もう、その人はいなくなっちまうんだぞ・・・・・・・・・・・!?」
「その言葉に・・・・・応えることは・・・・・・・できないんだぞ・・・・・・」
弟者は、泣いていた
100 : ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 01:23:11 ID:cpNoveIe0
弟者の腕を振り払い、今度はブーンが吼える
(#^ω^) 「じゃあ・・・・・・じゃあ・・・・・・・・・・・・・どうすればよかったお!?」
身体を震わせ、火山が噴火するかのように、感情を爆発させる
(#^ω^) 「ツンに、ぼくのことは忘れろとでも言えばよかったのかお!?」
「まだ・・・・・・まだ・・・・・・好きだと告げてもいないのにかお!?」
「それで、それで・・・・・・・・・・・!!」
興奮のせいか、弟者と同じく、言葉が出なくなる
一息、これもまた同じく、息を整える
(#^ω^) 「・・・・・・・・・・どこの誰とも知らない、そんな奴と・・・・・・!!」
「ツンに一緒になれって・・・・・・言えば良かったのかお!?」
ブーンは、涙を流し、流れるままに任せ、声を落とす
(#^ω^) 「そんなの・・・・・・・・・・・・・いや・・・・・・だお・・・・・」
124 : ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 01:42:30 ID:cpNoveIe0
(´<_`#) 「・・・・・それがエゴだって言ってんだろうが!?」
弟者はうつむくブーンにも容赦はしなかった
(´<_`#) 「結局・・・・・・・結局、お前のエゴじゃないのか!?」
「そんなもので・・・・・・彼女を一生縛る気なのか!?」
だが、ブーンもまた、負けず劣らず、噛み付く
(#^ω^) 「何もしらないくせに・・・・・・・! 勝手なことを言うなお!?」
「ぼくが・・・・・ぼくがどんな気持ちで・・・・・・・・・!!」
(´<_`#) 「知るかよっ! 自分のことしか考えられない奴の気持ちなんぞ・・・・・」
「俺はわかりたくもないんだっ!!」
「お前は・・・・・・・彼女に幸せになって欲しくないのか!?」
(#^ω^) 「なって欲しいお! そんなの決まってるお!?」
「これが、エゴだなんて、とっくにわかってるお!?」
何もかもわかっている。自分はもう彼女を幸せになんか出来ない
彼女の傍になんか、もういられない。遠くで見守ることも出来ない
それでも・・・・・・・・・・・・・・
( ^ω^) 「それでも・・・・・・・・・・・・・ツンが・・・・・好きなんだお・・・・・・・・」
(´<_` ) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
どうしようもない感情は、ブーンにたったそれだけの、しかし思い言葉を呟かせる
弟者も、それ以上、ブーンを罵倒することが、出来なかった・・・・・・・・・・
128 : ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 02:02:43 ID:cpNoveIe0
タバコに火を点ける弟者
二人とも涙で目を真っ赤にして、座り込む
なぁ、と弟者がブーンに声をかけた
(´<_` ) 「なんで・・・・・・・・・・死んじまったんだよ・・・・・・」
( ^ω^) 「死にたくなんか・・・・・・・・・・・なかったお・・・・・・・・・」
そうだよな、と頷く
(´<_` ) 「俺だって・・・・・・・死にたく・・・・・・・なかったさ・・・・・・・」
でも、と続ける
(´<_` ) 「兄者も、ツンとかいう娘も・・・・・・・・まだ生きてるんだぞ・・・・・・」
「死んだ・・・・・・俺達が・・・・・・・・・・・・・・・」
「これからを、奪っていい人たちなんかじゃ・・・・・・・・ない」
( ^ω^) 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
それだけ言うと、弟者は立ち上がり
(´<_` ) 「俺は・・・・・・・もう逝く」
「さっきは悪かった・・・・・・・世話になっておきながら・・・・」
いや、だからかな・・・・・・
(´<_` ) 「言い過ぎた。・・・・・・・・それじゃあな・・・・・・・・」
ざぶざぶと音を立て、弟者は河を渡って逝った
138 : ◆3mfWSeVk8Q :2005/12/09(金) 02:20:59 ID:cpNoveIe0
ピーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・・
心電図の音が、大して大きくもないのにうるさい
('A`) 「・・・・・・・!? おい!? マジかよ・・・・・・・!?」
(´・ω・`) 「ブーン・・・・? ねぇ・・・・・・うそだろ!?」
ツンを押しのけるようにして、二人はブーンのもとへ行く
ツンはされるがままに、ふらり、ふらりとブーンから離れ
ξ゚-゚)ξ 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
とさ、と、病室の隅に、砕けるように腰を落とす
('A`) 「ナースコール・・・・・・・・ナースコールだ・・・・・・!!」
(´・ω・`) 「そんなのまってらんないよ!」
ダッ、とショボンが駆け出し、病室を出て行った